ドラマ『前科者-新米保護司・阿川佳代-』感想。

作品の感想
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最近Amazonプライムで、有村架純さん主演の『前科者』というドラマを観ました。

有村架純さんが演じているのは、前科のある方の更生や社会復帰をサポートする“保護司”という役どころ。

保護司というお仕事は、なんとなく知っていましたが、このドラマを観て、無給だと知りとても驚きました!!

ストーリー

阿川佳代(有村架純)はコンビニでアルバイトをして生計を立てながら、罪を犯した者の更生を助ける無給の国家公務員である保護司になることを決意する。研修会などを経て、保護司になったばかりの佳代は、経営していたアクセサリーショップの従業員に激しい暴力を振るい、恐喝および傷害罪で懲役2年を経て仮釈放となった斉藤みどり(石橋静河)、実の兄を殺害し6年の実刑判決を受けるが刑期を半年残して仮釈放となった石川二朗(大東駿介)、覚醒剤取締法違反で執行猶予となった田村多実子(古川琴音)を担当することに。

保護司として“前科者”の居場所を見つけるために奔走する佳代は、過去のある経験からトラウマを抱えていた。保護観察対象者である彼らはそんな彼女と過ごすことで犯した罪と向き合い、心を動かされる。そして佳代もまた、3人と接していくうちに成長をしていく。

WOWOWオンラインより引用

感想

一口に犯罪者と言っても、そうなった経由や理由は様々。

傷害罪のみどりさんや、覚醒剤取締法違反の多美子さんの罪には、家庭環境、トラウマ、虐待などが背景にあります。

また、そういった負の部分が絡み合い広がっていく人間関係などがあり、

彼女たちが、そうなってしまうのは無理もないよ……そう思ってしまいます。だから許されるとかの話ではなくてね。

罪を犯す弱さを作り出すものは何なのか。加害者もまた、被害者なんだなぁとこのドラマを観ていると思います。

子どもを愛せない親たちもまた、愛されずに育ってきたり、癒えることのない深い悲しみを持っていたりするわけで、

その親の、そのまた親もきっとそうで、、

一体、そういった悲しい連鎖はどこから始まってしまうのか。どうして起こってしまうのか…。

そんな、考えても到底分からないことをグルグルと考え続けてしまいます。でも、確かにどこかで始まり、連鎖し続けるのですよね。

保護司という仕事は、この連鎖を止める役割にもなり得るのかなぁ…。

とても簡単なことではないのだろうけど、人と人との中で生まれた悪は、人と人との中でしか癒せないものなのかも?とも思います。

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実兄を殺害した二郎にも、同情できる部分があると感じます。

でも被害者遺族(二郎の兄の奥さん)の悲しみを目にすると、遺族からしたら当然、家庭環境のせいなら仕方ないね!とか、そんな理由なら仕方ないね!なんてことは言えないわけで…。

そういえば、罪を憎み人を憎まずという言葉があったなぁと思い浮かべて、なかなか簡単に口にできる言葉ではないなぁと(被害者側から考えると…。)言葉の重みを感じます。

ドラマには、“悪い人”が沢山出てきます。

でもその悪い人たちも、幸せじゃないはずだから…。それを思うとそういった悪を生んでしまう、世界が悲しいなぁと。

全ての人が、愛されて、満たされて、幸せになれればいいのに…とそんな夢のようなことを考えてしまいますね〜。

とても印象的だったのは、みどりさんが母親に抱きしめて欲しいと頼んで、抱きしめてもらうシーン。

そこで、母親がみどりさんを抱きしめながら保護司の阿川(有村架純)を恐ろしい目で睨みつけるのです。

そのシーンで、闇の深さというか…わかり合うことはできない溝のようなものを表しているように思いました。

抱きしめてはいるけど、親子が通じ合ったわけじゃない。

ドラマだけど、ドラマのようには上手くはいかない。救いが少ないところが、重くはあるけど、とても現実感のあるドラマです。

なんだか、取り止めもない文章になってしまいましたが、

とにかく色々と考えさせるドラマでした。

気になった方は、是非観てみてください。

前科者 -新米保護司・阿川佳代- | オリジナルドラマ | WOWOW
人気コミック「前科者」を有村架純の主演で、連続ドラマ&映画という形で実写化した社会派ヒューマンドラマ。“前科者”たちの更生、社会復帰を目指し、保護司が奮闘する。

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